Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

がまのち

日本怪談大全 第一巻 女怪の館

田中 貢太郎

Lesen Sie 日本怪談大全 第一巻 女怪の館 (がまのち) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.678 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

妹はその後をじっと見送っていたが、婢の姿が見えなくなると少年の後へ廻って双手をその肩に軽くかけ、何か小さな声で云いだしたが讓には聞えなかった。

女は少年の左の頬の処へ白い顔を持って往ったが、やがて紅い唇を差しだしてそれにつけた。少年は死んだ人のように眼も開けなかった。

二人の人が見えて来た。それは今の婢と魚の眼をした老婆であった。それを見ると少年の頬に唇をつけていた妹は、すばしこく少年から離れて元の処へ立っていた。

「また手数をかけるそうでございますね、顔ににあわない強つくばりですね」

老婆は右の手に生きた疣だらけの蟇の両足を掴んでぶらさげていた。

「強情っ張りよ」

妹が老婆を見て云った。

「なに、この薬を飲ますなら、理はありません、どれ一つやりましょうかね」

老婆が蟇の両足を左右の手に別べつに持つと婢が前へ来た。その手にはコップがあった。女はそのコップを老婆の持った蟇の下へやった。

老婆は一声唸るような声を出して、蟇の足を左右に引いた。蟇の尻尾の処が二つに裂けてその血が裂口を伝うてコップの中へ滴り落ちたが、それが底へ微紅く生なましく溜った。

「お婆さん、もう好いのでしょ、平生くらい出来たのですよ」