Japanische Klassiker mit Furigana
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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
Lesen Sie 日本怪談大全 第一巻 女怪の館 (がまのち) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.678 Zeichen · 394 Bildschirme
「奉公しても好いのですか、家からなんとも云って来やしないのですか」
「家の方はどう云うかも知りませんが、すこし事情があって、家にはもう帰らないつもりでございます」
「じゃ、どんな処へ奉公するつもりです」
「どこでもよろしゅうございます、相当の処があるなら、往きたいと思います、ありましょうか」
「ありますとも、まあ、私の家へいらっしゃい、あなたのお話を伺いましょう、すぐそこです、人の家の二階を借りてるのです」
そこへ二人伴の男が来て、二人の話を聞こうとでもするように顔をちかくへ持って来た。新吉は好い機会だと思った。
「人が来たのです、あちらへ往きましょう、煩いから」
「はい」
女は腰をあげた。
「すぐそこです、いらっしゃい、私一人ですから、遠慮するものはないのです」
「すみません」
女は小さい声で云って、新吉の左側へ立った。
「じゃ、まいりましょう、何も心配しないのが好いのですよ、今はどこにも婢が足りなくって困っている時ですから、幾等でも奉公口はあるのですよ」
二人は歩きだした。
新吉は二階をおりてから下の室へ往った。そこでは五十ぐらいになる胡麻塩頭の主翁が汚いちゃぶ台に向って酒を飲んでいた。