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Japanische Klassiker mit Furigana

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がまのち

日本怪談大全 第一巻 女怪の館

田中 貢太郎

Lesen Sie 日本怪談大全 第一巻 女怪の館 (がまのち) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.678 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

※(ローマ数字4、1-13-24)

なるほどこんな櫛を持っていては、つまらない考えが起るかも判らない、後で彼の女に逢った時に、櫛が要るようなれば、奢ってやっても好い、大した櫛でも無さそうだから、これはここへ頼んで置こう、無くなったところでかまわないと思いだした。

「姐さん、この櫛をここへ置いとくから、尋ねて来た者があったら、渡してくれないかね、無くなっても好いよ」

と、傍にいる女に云った。女は別にそんなことを問題にしていないので、軽く引受けてくれた。私はそれで幾等か安心したのでそこへ尻を据えてしまって、電車がなくなるまで飲んでいた。

※(ローマ数字4、1-13-24)

私は翌日になって、その櫛のことを考えだした。給仕の女は知らないと云ったが、忙しい客の大勢立て込んでいる場合には、それで己の受持でない時には、とても他の客のことが判ろうはずがない。あんなこと云っても、決して信用できるものではないと云う気が出て来た。それは己の経験に於いても判ることで、己にしてもそれに似たことは数多ある、とにかく、神保町の巷の中の家へ往って、聞いてみようと思いだした。ところで、その日は本所の親類の者が、夕方から来ることになっていたので、その日はそのまま帰って、その翌日、とうとう神保町で電車を降りた。