Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんでい
春泥・三の酉
久保田 万太郎
Lesen Sie 春泥・三の酉 (しゅんでい) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.075 Zeichen · 173 Bildschirme
三
「汐見君と西巻を抜いたあとのものはみんな出ている。」
「神代君もか?」
「あの男は稼げさえすればどこへだって行くんだ。」
「と、君も慶ちゃんもか?」
「御多分にはもれねえ。」
「そんなことをいったら、君。――それじゃァ、君、由良一座はナシじゃァないか?」
「だから由良一座の代りに若宮一座が出来る。――はじめッからそういってるじゃァねえか?」
「したら先生はどうするんだ? ――『矢の倉』の先生はこのさき誰と芝居をするんだ?」
「誰も相手がねえのよ。」
「そ、そんな――そんな――そんなってことがあるものか。」
「俺にそういったって仕方がねえ。」
「いやだ。――いやなこった。――誰がそんな……」
「俺だっていやだ。」
「じゃァなぜ承知した。――いやなものをなぜ承知したんだ? ――あたしァ知らない。――あたしゃァ何にも知らないんだ。――けど君は知ってるんじゃァないか、それほどちゃんと事のしだいを知ってるんじゃァないか?」
三
「誰が承知なんぞするものか。」
ずけりとまた小倉はいった。
「しない?」
「するものか。」
「だって、君。」田代は出鼻をいなされたかたちに「どうして?」
「先方だけで勝手にそうきめているんだ。