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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅんでい

春泥・三の酉

久保田 万太郎

Lesen Sie 春泥・三の酉 (しゅんでい) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.075 Zeichen · 173 Bildschirme

Aozora Bunko

というものをおッ立てようと先方の肚だ。」

「そんなことを、あの、楽天団の奴は?」

「どうして、あの楽天坊主、一ト筋縄で行く奴じゃァねえ。――肚の底を叩いたらどんなまだ太えことをたくらんでるか分ったもんじゃァねえ。」

「が、若宮君。――勿論、若宮君、乗りゃァしなかったろうね、そんな話に?」

「気の早え。――まだ、その、吾妻を引っ張ったばかりなんじゃァねえか。」

「だって……」

「ほんの、まだ、小手調べのすんだばかり。――ちょうどそこへがら/\ッと来たもんだ。」

「あ、地震……」

「何もかもそれで市が栄えたのよ。」

「と、吾妻さんは……」

「だから一番馬鹿をみたのは吾妻だ。――わざ/\死にゝ狸穴から這出したようなもんだ。」

「ほんとうに。」

「いゝやな、しかし……」ふいとまた小倉は口を出した。「その代りには、あの男、生れてはじめて二千と三千纏ったものを握ったんだ。――門のある家へ入って急に三人と書生を置いたんだ。――いっそ思い置くことはあるめえ。」

大倉の別荘のまえをすぎていつか三人は中の渡しのまえをあるいていた。――そこの、入江になっているすこしの部分の、いま汐のあげている最中であろう、たっぷりした感じにふくれた水が、二三本の枯れた雑木の影と、まだ出ない渡しの中の若い女の赤い帯とをさびしくうつしていた。