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Japanische Klassiker mit Furigana

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もめんいぜんのこと

木綿以前の事

柳田 国男

Lesen Sie 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.586 Zeichen · 348 Bildschirme

Aozora Bunko

八

それが百年か百五十年の間に、全国住民の九割九分までが、手杵なくして生活し得ることとなり、餅と団子とはまったく独立の存在を確保し、起源の最も久しい粢の白餅は、神霊以外にはこれを省みる者が無くなった。古代の食物慣習を解説せんとすれば是だけの面倒な考察を必要とし、しかも多数の人は今有る状態をもって昔からだと思っている。この激変が主として臼と杵と擂鉢との力であったのである。

八

晴の食物の調製が簡便になったことは、是と常の日の食事との境が、不明になってきた大なる原因では有るが、原因は勿論是だけではなかった。話が長くなり過ぎたからその分は他日を期し、ここにはただその要点のみを附加えておくが、元来食物の晴というものは、最初からまだほかにもあったのである。今まで述べて来た節供はその一つで、是は家々の中で神霊と人との共にするものであるが、なおその以外に家と家との共同に成る酒盛りというものがあり、是も村限りの内で行うものと、他所からきた人々との間に行うものとの二種があった。村限りの会食も時期が定まっていて、上代には是をニヘと謂っていたようである。現在も近畿以西に弘く行われているメオイという語は、そのニヘという語の変化かと思われる。