Japanische Klassiker mit Furigana
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
Lesen Sie 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.586 Zeichen · 348 Bildschirme
五
それは政治や戦争のように、男たちの事務だけに限らぬのみか、食物は毎日の生活であるだけに、むしろ人生の幸不幸に影響を及ぼすことが大きいのである。単に今後の参考になるだけでも、学問の効果は無限だと思う。
五
同じことはまた第二段に、衣服の変遷についても考えてみることができる。人が近世甚だしく風を引きやすくなったことは、金歯以上の大事件であった。カゼは以前には流行病の一つ、または眼に見えぬ悪霊の所為とも想像せられていたことは、風邪という語からでもよくわかる。つまり今のように普通の病ではなかったので、この変遷と衣服とは関係があるらしいのである。我々の衣服はどう変ってきたかというと、是もやはり柔かくなり、また糸が細く目がこまかくなっている。「木綿以前の事」という一文に、かつて私はこの点を少しく考えてみたことがある。麻糸にも精粗の差はあるが、もともと手先の業だから常人の着物は糸が太く布が強くて突張っていた。まるまるとした人のからだの表面との間に、小さな三角形の空間が幾らでもできていた。日本は欧洲とは反対に珍しい夏湿の国で、住民はまたおそろしい汗かきである。汗は放散して冷を取るために出るかと思われ、扇はまたその水蒸気を、着物の下から追出すために用いられるのである。