Japanische Klassiker mit Furigana
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
Lesen Sie 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.586 Zeichen · 348 Bildschirme
すなわち繁昌する家だけはうんと大きくなって一門を殖やし、一方衰えかかった家はまた急に滅びて行く。家の栄枯盛衰は烈しく、今日いるものは金持も貧乏人も、ともにその一方の生き残りの者の子孫であって、別に絶えてしまった家筋というものが、非常に多かったことが想像せられる。そうしてその原因はと言うと、今ではこれを聴き出す手段のないものが多いが、近い頃の、たとえば老人たちの記憶の及ぶかぎりのものは、心がけて調べて行くと判るのである。ゆくゆくはもっと総括的な方法が見つかるかも知れぬが、一応はまず是に基づいて、その一つ以前を想像してみるのほかはない。是がまた今日はまるで手つかずに残っているのである。私も遣ってみようと思いつつ、まだ片端に手を着けただけで、もう続けることもむつかしくなった。
その僅かな実験によって言うと、家の生活力ともいうべきものは、個人の体格や健康とは反対に、昔の方が今よりもずっと弱かったらしい。一度傷つくか躓くかすると、たとえば主人が死ぬ、病人になる、または家出でもすると、その疵がなかなか恢復せず、やがて絶家の原因にもなることは、今日に比べてずっと著しかったように思われる。