Japanische Klassiker mit Furigana
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
Lesen Sie 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.586 Zeichen · 348 Bildschirme
せず、直ぐに古くなる木綿で造られるようになって、いくらも卸して家にいる時に着るものになった結果かと思う。殊に朝早くからデタチの支度をして、野良や山に出るのでなく、家にいて時々力業をするという町の労働者などは、仕事着にわざわざ着換えるのも手数だから、下着は不断のままで、その上へ一枚の働く着物を着ることになった。そうすると袂が邪魔になって、手細の筒袖は着られない。それで今度は手元だけ細く、袖つけの所の広くなった巻袖がはやり出したのである。この袖は一幅の袖を斜めに折ってこしらえた。それ故にネヂソデまたはネヂッコとも謂うのである。中国地方から東では是をモヂリまたはムヂリ、ムジルというのも捻じることであった。その形が鯉の頭に似ているからコヒグチと東京では謂い、東上総ではブタグチとも謂っている。千葉県も南の方へ行くとこれをカモヤソデ、是もそういう意味の言葉らしいが、まだ私にはよく判らない。女たちになるとただ不断着を襷でくくり上げて、ちょっとした仕事をした。それではよく働けないので、やはり袖をブタグチにしたウワッパリというものを着た。これがこの頃の白いカッポウギというもののもとで、つまり不断着を脱がずに、仕事着の役をさせようとした便法である。