Japanische Klassiker mit Furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme
そこで、ちょっとおたずねいたすが、当城苑内にあるという嵐山と申すのは、本丸の庭であろうか、それとも二の丸の方でござろうか」
「さあ、嵐山とはどこであろうか。江戸城の庭と申しても、紀州や尾張殿の城内とは少し広いので、まだこの吉宗さえ足を踏まぬ所ばかり」
「成程」
「しかし、山の多いのは三の丸から二の丸の間の火庭と思う。紅葉山、山里、吹上の諸苑のうちには、狐狸もすめば、雉子山鳥の群棲する千古不伐の森林がある。……いずれにしても一人では迷子になられる怖れがあるから、黒鍬の者でも案内に立てて行くがよろしかろう」
黒鍬の者に案内させたがよかろうという吉宗の好意に、万太郎はその日は大人しく宿直にさがって、翌日、それの来るのを待ちうけましたが、さて何とも音沙汰がない。
何事も、おいそれとは行かない柳営の事なので、どうしたと催促してみるわけにも行かず、ひとりでその辺を散歩して退屈をまぎらわせている自由もききません。そこらに時々見受けるのは、池田候とか、伊達候とか、松平某とか、いずれも糊付けになったような長袴の静粛な去来のみです。
はて、欠伸が出る。
紀州の吉公め、おれを、困らすつもりかな?