Japanische Klassiker mit Furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme
「へ。――何とですか」
「名もなき東国の地侍が小せがれでございますが、神前において、加冠お式をしてたもれと」
「変に思いましょうが」
「なぜ」
「旅の者が、親どもも付き添わず、元服してくれなどと申し入れたら」
「かまわぬ。孤児といえばよい。――それはまた、ほんとの事だから」
「では、てまえが叔父という事にして、頼んでみましょう」
「そのような云い構えは要らぬことだ。家来といえばよい」
吉次はまた、憤かッ腹らしい。社家はどこやらと、知らぬような事を云ったくせに、すたすた大股に彼方へ歩いてゆく。
それきり返辞もしに来ない。しかし牛若は平気である。いてもいないでもいい人間のように、むしろ拝殿の廻廊に、神主のすがたが見えるのを待ち仰いでいた。
やがて、若い神主が、廊の上にひざまずいて、
「神前で元服して欲しいといわれたのは、お前様か」
と訊ねた。
牛若が、そうですと答えると、生国はどこ、父の名は何、また何のために、この社で加冠したいかなどといろいろ訊く。
「父は東国の武士、わけがあって、名は申せません。孤児にひとしい者ゆえ、神垣にて元服する分には、仔細あるまじと思い寄って参りました。