Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme

Aozora Bunko

と、云った。

頼朝は、笑って、

「調馬は未だしもよ、朝夙く法華経二部を、腹のそこから声を出して誦んでみい。五臓六腑、一物もなくなってしまう」

「いや、配所へご給仕に参りましてから、私ども兄弟も、はや十年の余、よい修行に相成りました」

「十年の余にもなるかのう」

「なります。父のいいつけで、初めて上がった頃は、私はまだ洟たれの童、兄の定綱さえ、まだ小冠者でござりました」

露を踏みながら、盛綱は、自分の素裸足な足を見た。百姓と変りはない。

盛綱は兄弟四人のうちの三男だった。父の佐々木源三秀義は、近江の住であったが、平家に屈しなかったので、近江を追われ、武蔵の渋谷庄司重国へ身を寄せた。――そして程近い伊豆にある頼朝へ、音信や贈物を怠らなかったが、遂には、自分の子の長男定綱と三男盛綱のふたりを、配所の家僕として召使ってくれるようにと、ここへ奉仕によこしたものだった。

流人とはいえ、まだまだ多分に貴族的な起居をゆるされている頼朝は、配所の家人に対しても、ずいぶん吾儘なふうがあった。盛綱などは、腹を立てて、何度も渋谷へ逃げ帰った。その度に、父に諭されてはまた帰って来たりした。