Japanische Klassiker mit Furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme
二
その叔父の十郎じゃよ」
「おお、あなたが」
「火急、お目にかかりたい儀があって、遥々、かような姿で下って参った。上がってもよいか」
頼朝は、振向いて、
「盛綱、盛綱。叔父上に水を汲んでさしあげい。……さあ、お足を洗がれて、お通りください」
と、頼朝は先に立って、行家を奥へ伴った。
二
「お疲れでしょう」
頼朝は云った。
それは凡の客に対するような挨拶でしかなかった。行家はちと物足らない顔をした。
なぜならば、彼には、余りに多くの感慨があったからである。
行家は、頼朝がまだ十二、三歳の頃を知っていた。兄弟の義朝が六条に栄えていた時代の家庭に、幼い頼朝をよく見ていたものである。
それから十七、八年。
ひと昔――
実にひと昔である。茫々と年月は過ぎてきた。そして、ここは伊豆の山中、当年の頼朝は、はや三十歳の男ざかりである。父義朝にどこか似て、より以上、気品がある。智的な、温容なふうがある。
「…………」
行家は、感慨なくしてはいられないのである。けれど頼朝は、さほどでもない。朝暮の訪客に接するのと、大して変りもない程度に、
(――ご用談は)
と、促したげな顔である。