Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme

Aozora Bunko

四、五の将も、そこへ出て、

「道を開け。その駒の群れを、彼方へ移せ」

などと指図していた。

広常は、間もなく、陣所へ近く来て、ゆらりと駒を降りた。――そして士卒を遠く立たせ、嫡男以下の肉親だけを従えて、幕の近くまで進み、

「これは上総介広常でござる。一族、近国の輩など狩り催し、二万余の同勢をひきつれ、ただ今あれに到着いたしました。この由、佐殿まで、お披露なねがいとう存ずる」

朝露に濡れた陣の幕は、雨に晒されたように重たげに垂れていた。――広常のことばをそのまま伝えて、武士は、頼朝のすがたの見える幕の下に跪いていた。

「…………」

いつまでも、頼朝が唇をむすんでいるので、辺りの将たちは、彼の面へ眸をあつめていた。大河の水の前に夜明けの光の白々とした下に見ても、その面は、配所にいた頃とは、別人のような黒さと強靱さを見せていた。

「畏れながら、お耳へ達しまする。ただ今、上総介広常殿には、二万余騎をお味方にひきつれ……」

再び、取次の武士が云いかけると、石橋山の谷間以来、久しく聞かれなかった頼朝の大声がいきなり、

「ならぬっ! 追い返せ」

と、大喝した。

幾条もの幕の彼方に、かなり距ててはいたが、その声は、上総介のいるあたりへも、十分に届く声量であった。