Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme
をも作ってしまった。
――といって頼朝という一臣民が、他の国民にくらべて、決して、朝廷に奉ずる念がうすかったわけではない。彼もまた、朝廷への忠勤には、心を傾けた武将といえるひとりである。しかし人間は往々、余りに大きなものは、かえって、うかとし易いものである。
たとえば、人はよく空を仰ぐが、仰ぐたびに、太陽と自己の生命との関係を考えたりはしないように。
三
「はて。誰がよいか」
頼朝は、考えていた。
彼にとって今、彼自身がいうところの健全な野性が、にわかに必要となって来たのである。
京都、中国、鎌倉と、三分されている天下の勢力を、
「わが手に」
と、考える時、それが容易な事でないにつけ、誰をして、その難事業に当らせるか――見まわすところ多くの武将のうちにも、そう人はなかった。
後白河法皇からひそかなお招きもあったが、彼は、義仲のいる京都へ上る気はなかった。
彼の身はもう鎌倉からたやすく動けないものになっている。
鎌倉を空けて、彼自身が、義仲と平家の二勢力を、一掃しにゆくなどという事は、いかに望んでみても、夢にすぎない。
「……人はないもの」
と、頼朝はつくづく思った。