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Japanische Klassiker mit Furigana

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みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme

Aozora Bunko

四

吉次もきょうは十分、義経の立場を察しているらしく、相手にとって無用らしい言は費やさないように慎んでいた。

「ここ数日が、大事な山、何かとご苦衷のほど、陰ながらお察しいたしておりまする」

「そちは、以来、京都にいたのか」

「いえ、ずっと、奥州へ帰っておりましたが、去年、木曾殿の攻め入った頃、ちょうど都へ上る用があって、あの兵燹にめぐり会い、思わず足をとめているうち、軍勢をひきいて、あなた様にも、鎌倉をお発向と聞き、再度のお目どおりを楽しみに、お待ち申していたわけで」

と、吉次はいつも変らない自分の誠意をまず相手に示してから、

「時に、ゆうべ蒲殿とご談合の末、平家の機先を制して、一ノ谷のご進軍の議は、ご意見一致なさいましたか」

と、訊ねた。

義経は、愕いて、

「どうしてそちは、左様な機密を知っておるのか。わしと蒲殿とのはなしの内容は、極く少数な者しか知らぬはずだが」

と、疑った。

吉次は笑って、

「鎌倉ではそうも参りませんが、この洛中の事ならどんな事でも、吉次の耳にはいらない事はありません。公卿堂上方のうごきでも、町々の出来事でも、誰かが吉次に聞かせてくれますから。