Japanische Klassiker mit Furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme
景時は、無言で去った。
林の外に待たせてある一隊の従者を従え、ひどく急いで駒を飛ばして行った。義経は、その後で、軍議をひらき、静かに、人々の意見を徴していた。
「一ノ谷へかかるには、その前に、平資盛がかためておる三草山の砦がある。――暁に襲わせたがよいか、夜討がよいか」
義経は、一同をながめて、そのいずれが上策かを、訊ねた。
三
夜討か。明方か。
この問題は、
(奇襲がよいか、正攻法に依るがよいか)
ということになる。
義経はこの問題を、ひどく重大に扱って、衆議にかけて、一同の意見をただしたが、考える余地もない事として、誰もみな、
「夜討」
「無論、夜討」
と、異口同音だった。
世間の称えには、平家方の総軍十万余騎、源氏は約三、四万騎であろうといっている。
が、実数は甚だしく違う。
平軍は少なくも二万はあろう。けれど源軍は、宇治川以来の傷負や病兵をのぞくと、範頼、義経の両方あわせても、三千騎に足らなかった。その後、鎌倉からは、一兵も補充されてはおらない。
しかも義経がこれへ率いて来た兵は、初めから荷駄も後続部隊もなく、軽敏な性格を隊伍にそなえて来たので、多くを範頼の指揮下にのこし、およそ七百ばかりの兵しか持たなかった。