Japanische Klassiker mit Furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme
「心得て候」
金王は、頼もしげに、そう答えてからまた、
「この辺りとて、油断はなりません。お身様にも、心なさりませ。――少しも早く、佐殿とお出会いなされて、先なる頭殿を追い、つつがなく美濃路へお遁れあるように」
「おお。ではまた、いつの日か、東国で会おうぞ」
「はっ。おさらば」
「さらば」
ひとりは西へ。
また、辻を東へと折れた兵衛正清は、琵琶の湖を左に見ながら、ふたたび佐殿の影を彼方此方さがし求めた。
けれど、右兵衛佐頼朝のすがたは、ついに、朝までも見出すことができなかった。
* * *
何処で父や兄や郎党たちの群からひとり下がったのか、頼朝は気がつかなかった。
雪にふさがれたまま凍りついたような瞼を、はっと開いて見ると、いつの間にやら父も見えない。兄や郎党たちもいなかったのであった。
「さては遅れたか」
頼朝は、にわかに駒を鞭打った。
彼の驚きと共に、駒も驚いて、突然、まっ白な旋風を起して狂奔した。
しかしわずか急ぐとすぐ駒は疲れた。彼も疲れた。心細さもない、愛慾もない、怖ろしさもない。
ただ睡たかった。
彼はまだ十三の童子武者であった。