Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
七
引揚げる外に工夫もなかったのです。
七
「あの浪人者でしょうか、親分」
ガラッ八はたまり兼ねて追いすがりました。馬道から、何を考えたか平次の足は、また飛鳥山の方へ向っているのです。
「いや、あの浪人者ではあるまい。宗次郎の傷は、武家――人の用心棒にでもなろうという、腕に覚えのある武士の仕業にしては、あんまり素人臭い。武芸は命がけの業だ、腕はなかなか隠せるものでない、それに」
「それに?」
「虚無僧の扮装を隠しようはない、山には何百何千という人がいたはずだ」
「どこか――着換える場所はなかったでしょうか、親分」
「待ってくれ、八、今お前は何とか言ったな?」
平次は立止りました。
「どこかで、そっと着換える場所はなかったでしょうか――と」
「それだ」
平次は豁然としました。一切の不可能を取払った後に残るものは、それが一応不可能に見えても、可能でなければなりません。
「八、解った。お前もう一度花見をする気はないか」
「ようがすとも、親分」
「それじゃ飛鳥山へ行って、日の暮れるまで頑張ってくれ。あの昨日の騒ぎのあった桜の木の下だぞ、――どんな事があっても動くな、いいか」
「親分は?」