Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
二
「そんな気になれないんで、父さんに苦労をさせます。今さら十手捕縄を返上して、番太の株を買うわけにも行かず、七八人の子分の暮しの事も考えると、どうして私は女なんかに生れて来たのかと、――親分」
お品は涙ぐんでおります。気に染まぬ聟を取るのがイヤさに、親父の後見をして、御用聞の真似事をしている自分が、つくづく浅ましかったのでしょう。
「鳥越の笹屋宗太郎が、今でもお品さんを付け廻しているという話だが――、あの男なら、利助兄哥を安心させるだろうと思うが――」
「親分」
お品は怨めしそうでした。武家上がりのくせに、因劫で通った宗太郎、町人をいじめて、充分金は出来たという話ですか、跛足で変屈者で、二年越し口説き廻されながら、お品はどうも受け容れる気になれない相手だったのです。
二
「八、聴いたろう、日が暮れたら出掛けてくれ」
「案山子の一と役ですかい」
ガラッ八は少し脹れております。
「嫌味を言うな。俺の口から『八五郎は大した腕だから、さぞお役に立ちましょう』とは言えないじゃないか」
「ごもっともみたいなもので、へッへッ」
「大層腹を立てたんだね、――もっとも手前は腹を立てると好い男になるぜ、ゲラゲラ笑っていると、反っ歯が、飛出すから――」