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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme

Aozora Bunko

お米は合点の行かぬ様子で、平次に訊ねました。傷の無い死体は、その頃の人には、全く不思議だったのです。

「頓死ではないかな、平次」

馬場要は少し平次をたしなめる調子でした。

「履物はありましたか、死体のあった辺に?」

平次は他の事を言います。

「それも気が付いて一応捜しましたが、坊っちゃんの履いて出た草履はありませんでしたよ、親分」

そう言ったのは、二十七八の気のきいた男です。

「お前さんは?」

「花房町の佐吉で――」

「あ、油屋さんの」

平次はようやくこの男を思い出しました。丁子屋の養女になった、又兵衛の末の娘、お富の許嫁者で、河内屋にも出入りしている好い男だったのです。

「…………」

佐吉は出過ぎたのを後悔する様子で、少し顔を赧らめました。

「履物が無ければ、やはり」

「殺されたのでしょうか」

お富はぞっと身顫いをしました。十九の厄、これは一座をパッと明るくするような娘です。

「気の毒だがやはり人手に掛ったのでしょう。出した覚えのない迎いが行っただけでも、唯事ではありません」

「おかしな事があるものだな」

そう言う馬場要の顔を、一座の者はツイ見やります。喜太郎が死ねば、河内屋の大身代は、叔母のお米か、お米の妹で佐久間町の丁子屋茂三郎に貰われている、お富に継がせる外はなかったのです。