Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
四
血肉をもった実在の人間より、それは浄化され神格化されているためでもあろうか。
シェクスピーアの場合、史劇あるいは悲劇は大概粉本があるらしく、ハムレットも、オセロも、マクベスも、リア王も、恐らく実在したことであろう。だが、実在の王子ハムレットは、シェクスピーアの描いたハムレット程は偉人でなく「在るべきか、在るべきでないか、それは疑問である」などと、六つかしいことはいわなかったに違いない。これは余事に亙るが、日本の歴史小説も、史実の詮索に溺れるよりも、シェクスピーアの偉大さと深さを学ぶべきではあるまいか。もっとも歴史小説というものを書かない私は、気楽にこんなことがいえるのかもしれない。歴史は歴史家に任せて、小説家は小説を書けばよいのだ。史上の人物を踊らせて、新しい創造をすればよいのだ。ピカソの美人は顔が二つあり、マルシャンの太陽は青い。それでよいではないか。
四
亡くなった菅忠雄君が、新聞社の応接間に私を訪ねて「雑誌を創めることになったが、その初号から、岡本綺堂さんの半七のようなものを書いてくれないか」と持ち込んだのは、昭和六年の春のことである。「綺堂先生のようには出来ないが、私は私なりにやってみよう」