Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
五
平次は忙しく死骸を改めました。
「身体が斑らになってますね、親分」
ガラッ八も、死骸の胸のあたりの凄まじい紫斑に気が付いた様子です。
「これくらいの使い手は、酔ったぐらいじゃ滅多に斬られないよ。――毒でやられたんだ」
「ヘエ――」
「首の切り口が膾のようじゃないか、――ひどい事をしやがる」
あまりの事に、昨夜脅かされた事も忘れて、ツイ義憤のようなものが燃え上がります。
「ここは町役人の方にお任せして、旅籠町へ行ってみようか、八」
「…………」
八五郎は黙って従いました。
旅籠町の路地の中、昨夜脅かされた小田巻直次郎の家の前へ行くと、ここにももう、噂が伝わったものか、五六人の野次馬が、恐る恐る外から閉めたままの家の中を覗いております。
五
小田巻直次郎の家を調べると、昨夜見たまま、長火鉢の猫板の上の舐め物まで何の変りもありませんが、不思議なことに、押入の中にあったはずの小判小粒、五六百両にも余ろうと思う大金は、影も形もありません。
「夢じゃなかったでしょうね、親分」
ガラッ八が、眼を擦ったくらい、ことも鮮やかな紛失振りです。
「夢ならいいが、――これは少し念入りだよ」