Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
二人はそのまま飛出しました。朝の膳の支度をしていた女房のお静が、呆気に取られて眺めているのなどは、素より振り向いてもみません。
聖堂裏まで来ると、大変な人立ち――、町役人が声を涸らして追っ払っても、頭の黒い野次馬は、蠅のようにたかって来ます。
「あッ、銭形の親分」
平次はその期待のざわめきの中をかき分けるように、莚を掛けた死骸に近づきました。
「親分、驚いちゃいけませんよ」
ガラッ八の声を聞流して、莚を剥がした平次。
「あッ」
あまりの事にしばらくは口も利けません。中年男の武家の死骸――着物や腰の物や、毛だらけな足や竹刀だこの手は紛れもなく小田巻直次郎の無残な姿ですが、その首は――なんと、白犬の首を切って竹串で小田巻直次郎の胴に継いだものだったのです。
小田巻直次郎に、どんな怨みがあっての仕業か解りませんが、首を斬って、犬の首を継いだのは、底の知れない残虐な悪戯でなければ、深怨に凝固まった人間の、悪魔的な復讐でなければなりません。
「傷は?」
「ありませんよ、親分」
「脳天をやられるか、一刀の下に首を切られたわけだね、――が、それにしちゃ、着物に血が少ない」