Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme
――そこがこっちのつけ目だ。御朱印紛失の事を知ってる者は、取りも直さず偽御朱印泥棒で、その泥棒が倅兵太郎を手にかけた下手人に相違ない。――皆んなにも心配をかけたが、遅かれ早かれこの曲者は縛られるだろう。その上、こっちには曲者の素姓までも大方解っている。桜湯の湯女で、お浪というのがその仲間の一人だ。早くも姿を晦ましたそうだが行先は大方解っているから、いずれ近い内に御手当になるだろう。――さて皆のもの、いろいろと心配をかけて気の毒であったが、今晩は倅兵太郎のために御通夜を頼みますぞ」
主人彦太郎の話というのはそれだけでしたが、三十幾人の聴き手はそれぞれの心持で、深い感銘に打たれた様子です。
それが済むと平次は、そっと物蔭に娘のお輝を呼出しました。
「お嬢さん、誰も聴いてはいません、そっと私にだけあの鍵のことを打ちあけて下さい」
平次の言葉は唐突で意外です。
「私はあの晩のことを、みんな知っておりますよ。お嬢さんに智恵をつけて、鍵を持出させた者のあったことを。――もっとも盗られた御朱印は偽物だから、心配することはありません。――そっと私にだけ話して下さい。