Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme
五
本物が三百両するものなら、紛い物や写しは、よく出来ていても三匁や五匁で買えます」
と言うのです。銭形平次と八五郎は、別々の心持で顔を見合せました。
五
井筒屋へ行ってみると、房松は帰されて、気抜けがしたようにぼんやりしていました。
「銭形の親分さん、有難うございました。親分のお口添えがあったそうで、お蔭で許されて戻りました」
房松がていねいに挨拶するのを、
「とんでもない、俺のせいなんかじゃないよ。――ところで、少し訊きたいが」
平次は押えるように訊きました。
「ヘエ――、どんな事で」
「お前の道具小屋にとりかぶとの根が干してあったそうだが――」
「あれのお蔭でとんだ目に逢いました。花を見るつもりで植えておくと、あれは薬にもなるんだそうで、泰道さんに頼まれて根を干したのですが」
「あの根が毒だということを、誰かに話さなかったか」
「お辰には話しましたが――」
房松は何の蟠りもありません。
「死んだお前の兄の重太郎は、嫁を取る前お辰と関係があったんじゃあるまいか」
平次の問いもスラスラと運びます。
「店の者はそんな事を申しましたが――」
問答のうち、八五郎はスルリと抜け出してお勝手へ行くと、そこに物思いに沈んでいるお辰の肩へピタリと手を掛けました。