Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme
四
「…………」
「親分さん方が、染吉さんの死骸を調べているところでした」
「その前は確かに出なかったのか」
「出やしません。出しもしなかったので、ヘエ」
周吉は頑固らしく口を入れます。
「染吉とお芳さんが、許嫁だったという噂があるが、本当かい」
「とんでもない、親分。あんな道楽者のところへ、大事の娘をやるわけはありません。もっとも昔はあんな男じゃありませんでした。この私も娘をやる気になったこともありますが――」
「どうだいお芳さん」
平次は周吉に構わず、お芳に問い進みました。
「一年前、そんな話もありました。でも、近頃の染吉さんは――」
お芳の顔には、悩ましさが雲のごとく湧きます。
「勇太郎は染吉と張り合ったんじゃないのか」
「あの人は正直で気の良い人です。一時染吉さんと面白くない事があっても、それを根にもつような人じゃございません」
お芳はむしろ勇太郎に好意を持っているらしく、躍起となって弁解します。
四
「親分、何にもわかりませんよ。この上は勇太郎を縛って、二三束叩いてみるんですね。江戸一番の正直者みたいな顔をしているだけにあの男には臭いところがありますよ」
いろいろの情報を集めさせにやった八五郎は、翌る日の昼過ぎにフラリと帰って来ました。