Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme
五
その後には人柄の良い内儀のお縫と、福々しい主人の彦太郎が神妙に控えます。
五
「親分」
いきなり八五郎が飛んで来ました。
「桜湯のお浪はどうした」
三十幾人の前で平次はこう訊くのです。
「一と足違いでした。風をくらって逃げましたよ」
ガラッ八は唇を噛んで口惜しがります。
「よしよし、穴は解っている、心配するな、ところで御主人」
平次が後ろを振り向いて合図をすると、それに応えるように、主人の彦太郎は多勢の前に膝を進めました。
「さて、皆んな、聴いてくれ。曲者は昨夜奥蔵に忍び込んで、あろうことか、東照宮様御朱印を盗み出した上、倅を殺して逃げうせたよ――」
恐ろしいザワめきが、一座を微風のように渡ります。
「本来ならば守随の家の大難だが、有難いことに、ここにいる銭形の親分の注意で、三日前奥蔵の二階の唐櫃に入れてあった御朱印を取出し、その代り偽の御朱印を入れておいたので、泥棒はその偽物を盗んで行ったよ、真物の御朱印はこの通り勿体ないがこの彦太郎の肌身に着けて守護してある――」
守随彦太郎は、懐ろから紙入を取出し帛紗のまま押し頂いてつづけるのでした。
「曲者はいずれ、守随の家に仇をするため、龍の口評定所へ秤座御朱印紛失の旨を訴え出るだろう。