Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme
四
「それは?」
「小日向第一の名水だよ」
「拝見出来ましょうか」
「いいとも」
案内されたのは、神津家の裏門の外。ザッと屋根をかけた立派な井戸で、ザラの人には汲ませないために、釣瓶は外してありますが、覗くと山の手の高台の井戸らしく、石を畳み上げて水肌から五六間、苔と虎耳草が一パイ生えております。
「ひどく荒らしてありますな」
「子供たちが悪戯をするから。――それで釣瓶も外してある」
吉弥は自分はもう大人の部に入っているような口をききます。
四
「ところで、内密に伺いますが――」
「何だ」
吉弥は平次の物々しい顔色を読んで、四方を見廻しました。
「お江野様は、若様にどのようになさいます――こんな事をお訊ねするのは、失礼でございますが」
「お江野か。――良い人だよ、たいそう親切にしてくれるし」
「それからお妹のお鳥さんは?」
「あれは面白い女だ、まるで芸人のようで」
吉弥は何やら思い出し笑いをしているのです。
「御用人は?」
「佐久間は若年寄だよ。――年はまだ若いくせに、物忘れがひどいし、老人のように引っ込み思案だから、私は若年寄と綽名をつけたよ。面白かろう」
「外に?」
「若党の三次、爺やの熊吉、それから婢が二人」