Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十五)茶碗割り

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme

Aozora Bunko

三

左右の手の爪が剥がれているのも痛々しい限りです。

「何という事をするのだろう」

平次も思わず悲憤の唇を噛みました。

縄を解いて行くに従って、その縄と死骸の着物の間から変なものが落ちて来ました。拾い上げるとそれは、庭石の蔭や井戸端や石垣の間などによく生えている虎耳草の美しい葉と小さい白い花で、平次はそれを紙に挟んで懐中へ入れながら、四方を見廻しましたが、その辺には虎耳草など一つもありません。

三

石松の話で、関口の太助も変な手紙に誘われて出たと判りました。いずれこの事件は、神津右京の屋敷と、盗まれた二千両の御用金に関係していることでしょう。真相を見窮めるためには、そこから手繰って行かなければ――と平次は考えたのです。

小日向の神津の屋敷へ行くと、至って快く通してくれて、用人の佐久間仲左衛門が相手をしました。まだ、五十そこそこの年輩ですが、正直者らしい代り、ひどい耄けようです。

主人の神津右京は四十代の働き盛り、長年の心願が叶ってさいしょに付いたお役目が上野東照宮の修覆係でした。一世一代の晴れ仕事と意気込んでいると、ある夜厳重な締りを外から開けて曲者が忍び入り、御預りの二千両の御用金を奪い去ったのです。