Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十五)茶碗割り

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme

Aozora Bunko

「財布にいくら入っていたんだ」

「三百両という大金ですよ」

「それからどうした」

「物音におどろいてお勝手から娘のお桃が飛んで来ると、母親は血だらけになって眼を廻している。曲者は狭い庭を一と飛びに、生垣を越して逃げ出したんだそうで。――昨夜はずいぶん暑かったが、それにしても縁側を開けたままで金の勘定をしていたのは、少し用心が悪すぎましたね」

「八五郎なら叔母さんから貰ったお中元の小銭でも、用心深く便所の中へ持込んで勘定する」

「冗談でしょう」

「ところで加島屋の後家の傷は?」

相変らず冗談を交換しながら、平次には事件の外貌を八方から探ろうとする興味が動いた様子です。

「ひどい傷だが、気丈な女で、手当をさせながら、いろいろ指図をしていますよ。外科の話じゃ、ただ突いた傷なら急所を除けているから大したことはないが、存分に抉った傷だから、請合い兼ねるということで」

「曲者の姿を見なかったのかな」

「チラと見たような気がするが確かなことは判らないといいますよ」

「それっきりじゃ仕様がない。ともかく、しばらくのあいだ見張っているがいい。俎橋の大吉親分が手柄にするのは構わないが、女一人斬って三百両という大金を奪ったのは放っておけない」