Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme
二
そんな心細い事を言いながら、ガラッ八はもういちど元飯田町へ飛んで行きました。
二
この見かけの極めて単純な事件が、思いも寄らぬ複雑なものになろうとは、銭形平次も思い及ばなかったでしょう。
「サア、大変ッ、親分」
ガラッ八の八五郎が飛込んで来たのはそれから二日目でした。
「とうとう大変が来やがった。皿小鉢を片付けるんだ、お静」
いっこう驚く様子もなくそれを迎える平次。
「落着いちゃいけませんよ、親分。俎橋の大吉親分は、加島屋の倅文次郎を縛って行きましたぜ」
「母親が刺された刻限に、町内の風呂に居なかったんだろう」
「どうしてそれを? 親分」
「そんな事だろうと思ったのさ。それからどうした」
「文次郎も若い盛りだから、少しは借金があるようで」
「それで母親の虎の子を狙ったというのか」
「なアに借金は五両や十両で済むが、日頃継母のケチなのが気に入らなくて、友達にもこぼし抜いていたというから、つい疑われるじゃありませんか」
「後家のお嘉代はそんなに吝だったのか」
「田螺のお嘉代と言われた女ですよ。店を女手一人で切り廻している外に、高利の金まで貸して、手いっぱいに働いていたんだそうで、四十五だというのに、なりも振りも構わず、鬼婆アのようになって働いていますよ」