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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十五)茶碗割り

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme

Aozora Bunko

三

「会うも会わないもあるものか、俺にそんな見識があるわけはない。若い娘さんを岡っ引の門口に立たせておく奴があるものか」

「ヘエ――」

驚いて飛んで出た八五郎、格子を勢いよく開けて、バアと外へ顔を出しましたが、そこには誰もいません。

「おや?」

「どうした八」

「居ませんよ、確かにここに待っていたはずなんだが、変だなア」

「だから余計な細工をするんじゃないと言うんだ」

口小言を言いながら、平次も草履を突っかけて、路地の外まで出て見ましたが、若い娘の姿はおろか、その辺には雌犬一匹いなかったのです。

「どうしたんでしょう、親分」

「行ってみよう。なんか変ったことがあるのかも知れない」

平次と八五郎は、仕度もそこそこ、お桃を追うともなく、宵闇の中を、元飯田町まで駆けました。

三

加島屋の入口に差しかかると、中から手代与之松に送られて出て来た、中年輩の武家と摺れ違いました。薄明りの中で、よくは判りませんが、色の白い、背の高い、身扮は至って粗末ですが、いかにも立派な男で、行き違いざま、平次とガラッ八の顔を見て、軽く会釈を返して往来へ出て行きます。

「あれは?」

平次は与之松に訊ねました。