Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme
その二千両の小判にはいちいち極印が打ってありますから、そのままに通用しませんが、ともかく神津右京にとっては家にも身にも代え難き大事件で、この二十日までに手に戻らなければ、本当に腹でも切って申し訳をする外はなかったのです。
その日は主人の神津右京は、金策のため上総の知行所へ行って留守。用人の佐久間仲左衛門、代って平次と八五郎に応対しました。
「御用金は奥の御居間の床の間に、注連を張ってお供え申しておいた。盗賊の入ったのは真夜中でござろう。二重三重の締りを、外から何の苦もなく開け、千両箱を二つ持出したのは人間業とも思えない。多分これこそ、柏手を二つ三つ打つと、どんな錠でも開くという、矢の根五郎吉とやらの仕業であろう。現に夜中隣室の物音にフト眼を覚した若様が、そっと起きて縁側へ出て見られると、右足の不自由な覆面の男が逃げるところであったと申す。声を掛けると、振り返って無礼にも、『馬鹿奴ッ』と言ったそうだが、その声は錆のある、不思議な響を持っていたということじゃ――」
仲左衛門は少しくどくどとこう説明するのです。この話は今までこの人の口から幾度くり返して聴かされたことでしょう。