Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十五)茶碗割り

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme

Aozora Bunko

八五郎の高くない鼻は少し蠢きます。

「ところが、窓いっぱいに張った女郎蜘蛛の巣があるだろう」

「…………」

「今朝来て見た時からそいつがあったんだ。どんな器用な曲者だって、蜘蛛の巣を潜っちゃ入れないよ」

ガラッ八は一言もありません。陽を受けてキラキラと光る美しい蜘蛛の巣は、こうなると金網よりも厳重に見えるのです。

残るのは梯子段が一つ、その下には用心棒の力松が、一と晩頑張っていたことに間違いはなく、力松が下手人でない限り、ここから曲者が忍び込むことなどは思いも寄りません。

「すると?」

「曲者は家の者だ――。それも主人の寝ている二階へ自由に出入りの出来るものは、番頭の周助か、下女のお石か、娘のお喜多か、用心棒の力松の外にはないことになる」

新吉は自分の智恵を小出しに見せつけて、ひそやかなる優越感にひたっている様子です。

「一番後で主人に逢ったのは?」

「力松だよ。――もっとも日頃丈夫でない主人は二三日前から寝たり起きたりしていたそうだ。現に昨日も気分が悪いからと、昼過ぎから床を取らせて、晩飯も抜きにしたというから、誰も日暮前から二階へは行かなかったらしい」

そう言われるといよいよ怪しくなるのは用心棒の力松です。