Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme
五
「あの晩お前はどこへ行っていたんだ。夕方から留守だったそうじゃないか」
「少しばかりの掛を集めて、あんまり汗になったから途中で一と風呂入って戻りました」
「掛は、どことどこで集めたんだ。――風呂はどこのだ」
「さア」
文次郎は困惑した様子です。
「数の多いことですし、度々のことで、よくは覚えてはいません」
「思い出しておくがいい。その証明が立たなきゃ、お前にも人殺しの疑いが懸るよ」
「…………」
文次郎の顔はサッと血の気を失いましたが、それっきり口を緘んでしまいました。
蜘蛛の巣さえなければ、この男を助けておくのではなかったといった不思議な焦躁が、新吉の胸をさいなみ始めた様子です。
五
鬱陶しい日がつづきました。親分の銭形平次はまだ帰らず、お静を相手の留守番には八五郎の叔母が行ってくれましたが、石原町の吾妻屋殺しの方はいっこう目鼻もつかなかったのです。三日目の昼頃。
「八五郎さんは」
飛び込んで来たのは、「娘御用聞」のお品と、田島屋文次郎の母親でした。
「お品さん、何か変ったことでも――」
八五郎は頼まれ事の埒のあかないのに気を腐らせながらも、大して極りを悪がる様子もなく顔を出しました。