Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme
銭形平次捕物控
一
一
「八、久しく顔を見せなかったな」
銭形の平次は縁側一パイの三文盆栽を片付けて、子分の八五郎のために座を作ってやりながら、煙草盆を引寄せて、甲斐性のない粉煙草をせせるのでした。
「ヘエ、相済みません。ツイ忙しかったんで――」
「金儲けか、女出入りか」
「からかっちゃいけません」
「まさかあの案山子に魔が差したようなのに凝っているんじゃあるまいな」
「何です、その案山子に魔がさしたてエのは」
「白っばくれちゃいけない、踊だよ。水本賀奈女とかいうのが、大変な評判じゃないか。お前の叔母さんの近所に住み着いて、二年ばかりの間に町内の若い男をすっかり狂わせてしまったという評判だぜ」
「へッ」
「変な声だな、すっかり言い当てられたろう。――悪い事は言わないから、あれだけは止す方がいいぜ。縮緬の手拭なんか持って歩くと、野郎はだんだん縁遠くなるばかりだ」
「それですよ、親分」
「何がそれなんだ。眼の色を変えて膝なんか乗り出しゃがって」
「その水本賀奈女師匠が、思案に余って銭形の親分さんにお願いして、ちょっと伴れて来てくれと――」
ガラッ八の八五郎は、急に居住いを直して、突き詰めた顔になるのです。