Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十五)茶碗割り

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme

Aozora Bunko

三輪の万七の子分、お神楽の清吉が、そんな事を言いながら、人を散らしております。

「どうした、お神楽の。下手人は挙がったか」

平次は穏やかに訊きました。

「挙がったようなものですよ。帳場の金が百両無くなって、下男の権八というのが逃げたんだから」

「逃げた先の見当は付いたかい」

余計なことを、ガラッ八は口を挟みました。

「解っているじゃないか。吉原の小紫のところよ。――野郎の名前は権八だ」

「へッ」

八五郎は睡を吐きました。まさに一言もない姿です。平次はそんな事に構わず、相模屋の中に入って、いきなり事件の核心に触れて行きます。

殺された相模屋総兵衛は、その時もう六十歳。早く女房に死に別れて、跡を継ぐべき子供もなかったので、二人の姪――お道、お杉――を養って淋しいが、しかし満ち足りた暮しをしている、有徳の米屋でした。

口やかましくて、手堅い性分で、なまけ者や誤魔化しを見ていることの出来なかった総兵衛でしたが、その一面には慈悲の心にも富み、信心も篤く、まず町人としては申分のない人柄で、人に殺されるはずもないようですが、物事に容赦のない性格が、とんだ怨みを買ったのかもわかりません。