Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme
「ゆうべ何か変ったことがなかったのか」
「表二階へ小僧の庄吉と一緒に早寝をしてしまいました。何にも存じません」
「下男の権八はどんな男だ。知ってるだけのことを訊きたいが――」
「正直一途の男でございます。自分が曲ったことをしない代り、人の曲ったことも容赦しないといった」
「フーム、主人とよく気風が似ているんだな」
「ヘエ、時々それで変なことがございました。これはまア、申上げない方がいいでしょうが」
徳松は自分の言い過ぎに気が付いたらしく、あわてて口を緘みました。
「変な事? それを聴かしてくれ」
「ヘエー」
「隠しちゃいけない。いずれは知れることだ。主人と権八の間に何があったんだ」
「では申上げます。――私はただ小耳に挟んだだけで、詳しいことは、番頭さんがよく知っておりますが」
「番頭さんからは後で訊くよ」
「――こうでございます。権八がここへ奉公してから十年になるんだそうで、その間に稼ぎ溜めた給金――年に四両の決めと、いろいろの貰いや何かを、手も付けずに主人に預けたのが、五十両とかになったそうで――」
「フムフム」
「在所へ帰って質に入れた田地を請出し、年を取った母にも安心させたいから、それを返して下さいと、一年も前から二三度主人に掛け合いましたが、主人はどうしたことか返してくれません」