Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme
銭形平次捕物控
一
一
「親分の前だが――」
ガラッ八の八五郎は、何やらニヤニヤとしております。
「前だか後ろだか知らないが、人の顔を見て、思い出し笑いをするのは罪が深いぜ。何をいったい思い詰めたんだ」
銭形の平次は相変らずこんな調子でした。年を取っても貧乏しても気の若さと洒落っ気には何の変りもありません。
「ね、親分の前だが、褒美を貰ったら何に費おうか、あっしはそれを考えているんで」
「褒美?」
「忘れちゃいけませんよ。近ごろ御府内にチョイチョイ贋金が現れるんで、その犯人を挙げた者には、たいそうな御褒美を下さるという御触れじゃありませんか」
「なんだその事か、――そいつは取らぬ狸の皮算用だ。当てにしない方が無事だろうぜ」
「でも、万一ということがあるでしょう。あっしがその贋金造りを捕えたら、どうなるでしょう、親分」
「たいそうな気組みだが、――まア諦める方が無事だろうよ。半年越し江戸中の岡っ引が、鵜の目鷹の目で探しても、尻尾をつかませない相手だ」
「でも――」
「万一なんてことがあるものか、谷中の富籤じゃあるまいし」
「谷中の富籤ほども分がありませんかね、親分」
「まア、そんな事だろうよ」