Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme
銭形平次捕物控
一
一
柳原の土手下、ちょうど御郡代屋敷前の滅法淋しいところに生首が一つ転がっておりました。
朝市へ行く八百屋さんが見つけて大騒ぎになり、係り合いの町役人や、野次馬まで加わって捜した揚句、間もなく首のない死骸が水際の藪の中から見つかり、それが見知り人があって、豊島町一丁目で公儀御用の紙問屋越前屋の大番頭清六と判ったのは、だいぶ陽が高くなってからでした。
ガラッ八の八五郎の大袈裟な注進で、銭形平次が来たのはまだ検屍前。
「寄るな寄るな見世物じゃねエ」
そんな調子で露払いをするガラッ八の後ろから平次は虔ましい顔を出して、初秋の陽の明るく当る筵を剥ぎました。
殺された清六は五十七八、小作りの胡麻塩髷、典型的な番頭ですが、死骸の虐たらしさは、物馴れた平次にも顔を反けさせます。
「辻斬でしょうね、ひどい事をするじゃありませんか」
八五郎は横から覗きました。
「…………」
平次は黙って首を振りました。こんな下手な辻斬があるわけもありません。
「越前屋からは、まだ引取り手が来ませんよ。親分」
八五郎はそれが不平そうです。
「ツイ二十日前に、主人が卒中で死んだばかりだから、無理もないが――」