Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十四)雛の別れ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme

Aozora Bunko

さいしょは約束の年季が明けないのに、夜逃げ同様屋敷を脱け出したのが怪しからぬという言い掛りでしたが、近頃はお袖に預けた古筆の茶掛け一軸と、彫三島の松の葉の香盒が紛失したから、それを返すかお袖を引渡すかという強談になりました。

あまり無法な掛合いに、上総屋吉兵衛自身で佐野家へ出向きましたが、これはそれっきり帰らず、五日経っても七日経っても消息のないところを見ると、用人木原伝之助に殺されたのかも知れません。

その上今から三日前の夕刻、父親のことを心配して本銀町の叔父のところまで相談に行った娘のお袖は、帰り途不思議な駕籠に乗せられて、どこともなくつれて行かれたという騒ぎです。

「あっしが跟けたのは、その娘――お袖を乗せた駕籠だったに違いありません。耳朶のない駕籠屋の又六という男を芝で捜し出し、十手を見せて訊くと、あの日うんと駄賃をもらって、日本橋から娘を乗せ、芝、田町四丁目まで行く約束で飛ばすと、後を跟ける者があるので、高輪まで延ばして田町四丁目まで引っ返したに違いないと白状しました。駕籠を着けたのは佐野家の裏口、娘は騙されて駕籠へ乗ったと知ると、初めのうちは少し騒いでいたが、佐野家へ着くと観念したものか、萎々と歩いて裏口から入ったそうですよ。