Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme
それよりもお仲を驚かしたのは、寄って来た野次馬の中に、チラと手代久吉の顔を見たことです。
「あ」
声を掛けようと思うと、久吉はもうどこかへ行って姿を隠してしまいました。
その間に町役人、土地の御用聞、神明様の縁日でちょうど出役していた同心などが集まり、見知り人を浜松町の要屋に走らせて、月の路地の中ながら、取調べが始まります。
要屋の養子山之助は驚いて飛んで来ました。年の頃、二十七八、分別者らしいうちに愛嬌があって、大店の主人の貫禄は充分です。
「お前は?」
「要屋の主人山之助でございます」
「殺されたのは、お前の養父に相違あるまいな」
同心浦辺吉十郎は一挙に事件を片付けるつもりか、テキパキとことを運びます。
「ハイ」
山之助は死骸の上に痛々しく眼を落しました。
「怨みを買うようなことはないのか。――日頃隠居をよく思わないといったような」
「とんでもない。――父親のことをそう申しては何ですが、仏のような心掛けの人でございました。店の者、御近所の衆にお訊き下さっても解ります」
「他に思い当ることはないのか」
「たった一つございます」
「何だ」
「何か結構な掘り出し物があるからと申しましてツイ先刻店から小判で五十両ほど持って参りました」