Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十四)雛の別れ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme

Aozora Bunko

「返したというと、どこへ返したんだ」

「あれは私が買い取ったのじゃありません。また私風情が三十両五十両という品を買えるわけもございません。五六日前店を並べているところへ、いきなり若い娘さんが来て――」

「若い娘?」

「ヘエ、目のさめるような娘でしたよ。――身装は悪かったが、あんな綺麗なのは、神明にも狸穴にもありません」

「それがどうした」

「大事の品だが、どうしてもお金に代えなきゃならない。箱や袋が揃っていれば、三百両にも五百両にもなる。茶碗だけでも見る人が見たら、百両にも二百両にもなるだろうが、大道でそんなことを言っても通用しないだろうから、せめて五十両に売ってくれ。売れたら十両までお礼を出すという話で、ヘエ」

「それから」

「大して店塞ぎになる品でもございません。売れて十両の口銭なら悪い商売じゃないと思って、七日ばかり並べて置きました」

「客が付いたのか」

「毎晩二人三人はきっと目をつけますが、値段を言うとそれっきりになります。その中で、手付けを置いたのが二人」

「どんな様子の人間だ」

「一人は六十五六の立派な御隠居で、すぐ引返してくると言ってそれっきりになり、その次は三十七八の古道具屋の手代といった様子の男でしたが、これも一両の手金を置いて行ったきり、二日経っても品を取りに来ません」