Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十四)雛の別れ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme

Aozora Bunko

城弾三郎氏のたった一人の知合いというのはこの戸倉十兵衛だから、疑われても文句はない。が、有難いことに、ゆうべは川崎の鶴屋に泊っている。小田原に所用があって出かけ、七日目で今日帰るとこの騒ぎだ。驚いて飛んで来たのはツイ一刻(二時間)ほど前さ」

戸倉十兵衛の言うのは満更こしらえ事らしくもありません。川崎の旅籠屋から抜け出して来て、また川崎へ帰って、けさ改めて川崎を発って来るという芸当が出来ないことは、平次の智恵をまつまでもなくわかり切ったことです。

「城さんに敵はあったでしょうか」

「無いな」

「ひどく怨んでる者とか、なんとか」

「あるわけはない。もっとも、城弾三郎氏の方で怨んでいる者はあった」

「誰です、それは?」

「阿倍川町に住んでいる、これも浪人者で高木勇名というのだ」

「ヘエ?」

「何でも、三年以前までは九州のさる大藩で、同役であったということだ。城弾三郎氏は何かの事で高木勇名というのと怨みを構え、高木の讒言で浪人したが、まもなく高木の方も禄を捨てて、江戸へ来たということだ」

「…………」

「不思議な廻り合せで、お互に遠くないところに住んでいることがわかったが、城弾三郎氏はひどく高木勇名を怨んで、出逢いしだい討ち果すと言っていたよ。