Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme
銭形平次捕物控
一
一
「親分、こいつは変っているでしょう。とって十九の滅法綺麗な新造が仏様と心中したんだから、江戸開府以来の騒ぎだ」
ガラッ八の八五郎は、また変な噂を聴き込んで来ました。
「何をつまらねエ」
「つまるかつまらねエか、ちょいと行ってみて下さいよ。京屋じゃ怪我(事故)にして検屍を受け、日が暮れたら、お葬いを出すつもりでいるが、若い娘が仏様を抱いて、大川へ飛び込んでそれで済むと思いますか」
「京屋というのは、米沢町の京屋善八のことか」
「ヘエ――その京屋の下女、――と言っても弁天様が仮に姿をやつしたような、お鈴という綺麗なのが、普賢菩薩の木像をしかと胸に掻い込んで元柳橋からドブンとやらかしたんで。主人の善八が見付けて、引上げさした時はもう手遅れ、虫の息もなかったが、普賢菩薩の像だけは、確と胸に抱いて離さなかったというのはいじらしいじゃありませんか。もっとも普賢菩薩は女体の仏様だから、こいつは心中にならないかも知れない」
八五郎はそんな事を言ってキナ臭い顔をするのです。
「娘の身投げまで、いちいち付き合っちゃいられないよ。検屍が無事に済めば、それでいいじゃないか」
平次は相変らず御輿をあげそうもありません。