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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十四)雛の別れ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme

Aozora Bunko

四

四

「親分、仏師の野沢琢堂は、去年の春鎌倉で死んでいますよ」

「間違いはあるまいな」

八五郎が報告を持って来たのは、それから三日目の夕方でした。

「鎌倉まで行って来たんだから、間違いはありません。――病気は中風、死ぬ三年前から身動きも出来ず、娘が感心によく世話をしたそうですよ」

「その娘の名は何と言った」

「そこまでは聞きませんよ。――十八九の綺麗な娘だったそうで」

「だから馬鹿だって言うんだよ」

「その代り倅の名は聞いて来ました、丈太郎というんだそうで。この男は生れつきの道楽者で、三年前親父の琢堂に勘当され、それっきり行方知れず、生きていると三十二三にはなるだろうという話で」

「それっきりか」

「ヘエ――」

「娘と倅の人相は聞かなかったのか」

「そこまではね、親分」

「それが大事だったんだ。仕様のない奴じゃないか」

「ヘエ――」

平次はひどく不機嫌でした。が、その突き詰めた調子から、事件解決の鍵を握ったことを、八五郎は感ずるのでした。

その晩、下っ引の報告が一つ一つ平次の手許に集まりました。身投げをした下女お鈴の請人は、向柳原の大工の熊五郎で、これは頑強にポンポン言っておりましたが、三日責め抜いた揚句、とうとう金を貰ってお鈴の請人になったということまで白状したのです。