Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme
五
「それじゃ行って来ますよ、親分」
ガラッ八は飛び出しました。江戸を恐怖のドン底から救う手がかりが、それでようやく、平次の手に握られた様子です。
五
後で平次の言ったことですが、振袖火事にしても、吉祥寺火事にしても、二日に亘って火は八方から起っております。それを飛び火とばかり解釈して、なんの詮索もしなかったのは迂遠で、その後夜ごとの火事にしても、江戸の諸方から一度に火の手の挙がる様子は、どう考えても、多勢の者が連絡して、八方から火を放つとしか思われず、この関係に気が付いて、橋や堂宮の落書に連絡を見出したのはさすがに平次の手柄でした。一と口に橋の欄干と堂宮の玉垣と言っても、江戸中のを調べるのは容易の業ではありませんが、幸いに落書のあったのは、江戸の盛り場や目抜きに限られ、平次とガラッ八が、多勢の下っ引を使って、一日の骨折りで集めた落書の数は、たった一つしかなかったのです。
「親分、落書はあったが、こう一字ずつバラバラに書き散らされたんじゃ、読みようがありませんぜ」
「どれ、出して見せな。――橋の名は書いてあるだろうな」
「そこに抜かりはありませんよ。こいつは日本橋の、こいつは今川橋、――こいつは――」