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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十四)雛の別れ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme

Aozora Bunko

「さア、困った。これで本当の放火犯を挙げなかった日にゃ、いよいよ俺は坊主にならなきゃなるまい」

平次はもういちど奮起しました。

「その時はあっしも坊主になりますよ、親分」

ガラッ八は左に曲った髷っ節を押えました。

「止すがいい。桜姫を口説きそうでやりきれない」

この期に臨んでも、洒落っ気を捨てない二人でした。

「へッ、悪い見立てだなア」

「怒るな、八。それより江戸中の大きな橋や、高名な堂宮を一と廻りして来てくれ」

「何があるんです、親分」

「落書だよ。――今夜は月がないし、それにこの様子なら晴れだ」

「落書がどうしたんで?」

「放火と落書との因縁に気が付いたのさ。橋の欄干や、堂宮に放火仲間の合図の落書があるんだ」

「ヘエ――」

「俺は堂宮を見て来る。いいか、欄干の後ろを見るんだよ、大抵は消炭だ。目印は二重になった菱、判ったか」

「ヘエ――」

平次はいつの間にやら、二重菱の印は放火仲間の暗号で、それが火事のあった時に諸々の橋の欄干、堂宮の玉垣などに書かれていることに気が付いたのです。

「これを見定めるには三月かかったよ。たしかに火事と落書の因縁に気の付いたのは昨夜だが、一つや二つの落書では読みようが判らない」