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Japanische Klassiker mit Furigana

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せいしゅんのぎゃくせつ

青春の逆説

織田 作之助

Lesen Sie 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.593 Zeichen · 325 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし、名誉を回復するのはどういう風にして良いか分らなかった。まさか紀代子を相手に決闘も出来なかった。豹一はただまごまごしていた。そして、そんな決心にもかかわらず、紀代子の顔もろくによう見なかった。横を向いていた。

紀代子は豹一が自分の顔を見てくれないのが、恨めしかった。つと寄り添うて、

「どないしてたの? なんぜ会ってくれなかったの? 病気していたの?」

恨み言を言った。が、豹一は答える術を知らなかった。そして、答える術を知らない自分にむっと腹を立てていた。そんな顔を見ると、紀代子は、やっぱり嫌われたのかと、不安になって来た。それで一層豹一を好いてしまった。例の如く並んで歩いたが、豹一はわれにもあらずぎこちなかった。別れしな、

「今夜六時に天王寺公園で会えへん?」紀代子の方から言い出した。その頃、宵闇せまれば悩みは果てなしという唄が流行していた。約束して別れた。

豹一はわざと約束の時間より半時間遅れて行った。紀代子は着物を着て、公園の正門の前にしょんぼり佇んでいた。臙脂色の着物に緑色の兵児帯をしめ、頬紅をさしていた。それが、子供めいても、また色っぽく見えた。